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商品批判論の射程

後藤 元(ルネサンス研究所・関西研究会運営委員)


 資本主義的生産の発展に伴い、資本内分業としての労働時間の計画的な配分は、通信・交通手段の発達により既に地域を越え、国境を超えて大規模に実施されており、そこにおいて個々の労働力は、はじめから資本の「共同的労働力の諸器官として作用」し、その支出は、「はじめから労働そのものの社会的規定として現れる」。生産に必要なのは、一定の産出量に対して、その生産に用いられる諸生産物間の係数および諸生産物と労働の間の係数であって、資本の内部における協働の組織に貨幣は不要である。そこでは「直接的に社会的な労働」が組織されていると言える。


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