新たな政治的構想力を獲得するために  
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論争への参加を呼び掛ける


ルネサンス研究所関西研究会運営委員会

           
 現代資本主義は、新たなレベルのグローバリズムと新自由主義的再編を推し進めてきた。資本の運動の新たな枠組みは、新たな矛盾を深化・拡大させるとともに、民衆の世界的交通の新たな物質的基盤を創り出し、異なる地域の民衆の抵抗・反乱は、国境を超えて連鎖し、拡大する傾向をますます強めている。
 日本でも、近年、原発、在沖縄米軍基地、安保法制などをめぐる民衆の抵抗・反乱が組織されてきた。そうした中にあって、左翼勢力は全共闘世代・安保世代の層を中心に一定の存在感を示したが、若い世代とは断絶し、影響力も限定的である。原発・安保法制をめぐって抵抗・反乱の中心を担ったのは、左翼からは距離を置こうとする勢力である。
 さらに、社会全体の右傾化が進んでいる。安倍政権が推し進める戦争のできる国家づくりに対し、反対運動は一定の広がりと高揚を形成したが、右翼的言説を支持する社会的基盤が拡大しつつあり、それにより政治意識は全体として右にシフトしていて、反戦の主張も憲法をめぐる攻防に押しとどめられている。
 
 こうした状況の要因の一つとして左翼の政治的構想力の喪失がある。21世紀の資本主義は、19世紀の資本主義、20世紀の資本主義から大きく変化している。かつて左翼にとって前提となっていた理論的枠組みが、変化の中で機能しなくなり、現実を捉えられなくなっており、民衆の継起する諸抵抗・諸反乱の進むべき方向を指し示すことができなくなっている。支配階級は、いくつかの主要な境界線をめぐって(例えばグローバルな利害と国内の利害の対立と調整をめぐって)分裂を深めているが、現在支配的な層は戦後の枠組みを積極的に破壊-再編しようとしており、その変革への志向・革新性が、変革を求める民衆に支持される一方、左翼の側はこうした上からの変革に反対する「保守勢力」としての位置を甘受するという逆転が生じている。
 21世紀の新たな諸条件のもと、例えば既に様々に議論されている次の諸課題に関し、左翼はどのような構想と実践を構築すべきか、現状の保守ではなく新たな政治のありようを示せるか、が問われている。(提出されている選択肢をランダムに並べてみる。)


 ◆福祉国家への回帰か、民衆の相互扶助の拡大か、ベーシックインカム

  の導入か
 ◆エネルギーの国家管理か、自由化と市場経済による調整か、消費者協

  同組合を通じた民衆によるコントロールか
 ◆金融資本の運動に対抗するために、自己資本規制か、債務の帳消し

  か、トービン税か、タックスヘイブン規制か
 ◆経済成長か、持続可能な成長か、ゼロ成長か、「縮小社会」の構築か
 ◆資本のグローバリゼーションに対抗するために国民国家主権の強化を

  求めるか、民衆の国際連帯を構築するか
 ◆日米安保強化路線に対抗するために、自己武装強化か、国連中心主義

  か、東アジア共同体建設か、非武装中立か、民衆の国際的自己権力の

  形成か
 ◆現状の体制の革命か、変革か、抵抗か、改良か
 ◆革命の主体はプロレタリアートか、債務者か、市民か、マルチチュー

  ドか

 

 ルネサンス研究所関西研究会は、これらの諸課題について、正面から取り組むことを決意した。その目的は、これらの諸課題に取り組んでいる諸運動間の共同性を構築することに寄与することである。それぞれの課題に取り組む個々多様な運動は、協働し、共同性を構築することができるのか。できるとすれば、その物質的根拠と条件は何か。共同性を構築することは、どのような社会-世界を創り出すことになるのか。これらを明らかにしたい。
 議論の過程は、このウエブサイト上で報告される。議論がまとまるのか、空中分解に終わるのか予見できないが、少なくとも起こりうる様々な対立議論が、それぞれの運動に参加している人たちにとって、自分たちの運動が進むべき方向性について議論する上での一つの参照点となることができるような質の議論を闘わせたいと願っている。
 目標は大きく、ルネサンス研究所関西研究会の力量は限られている。広く、研究所内外の有志に議論への参加をお願いしたい。


2017年7月29日
 

ポピュリズム

​後藤 元ほか

れいわ現象~左派ポピュリズムの登場?

​伊藤公雄

​中村勝己

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