2017
研究会の記録
資本のグローバリズムといかに闘うか 国民国家、帝国主義、帝国の主権を問う角度から
December 22, 2017
報告 後藤 元
日米安保体制からの脱却は可能か ~沖縄の視点から東アジアの展望を考える~
October 21, 2017
報告 椿 邦彦
「東アジアにおける安全保障」とは何か。最も基本的な定義は、「東アジアで生活するすべての人びとが平和で豊かな暮らしを送ることができる」ということであり、それが保障されている状態であろう。
「平和」であるとは生存を脅かされる危険が存在しない状態であろう。平和の対極にあるのが戦争である。生存を脅かすという意味では飢餓もそうである。
「豊かさ」とは経済的な豊かさに限定されるものではない。その地域に居住するすべての人びとが人間らしく生きていくこと、すなわち、人間としての尊厳が保たれていること、健康で文化的な生活を営むことができることが前提とならなければならないだろう。そのためには良好な自然環境や生活環境、労働環境が保たれていなければならないだろうし、社会の中で人びとが奴隷状態におかれることがなく、また不当な差別や抑圧を受けることがないということが必要であろう。資本主義社会においてこのような状態を実現し、それを維持するための条件はどのようなものだろうか。

原発現地での地域の権力構造に迫る ~八幡浜住民投票運動~
September 15, 2017
報告 八木 健彦
「八幡浜では市長・市議会多数派・商工会という推進勢力のなりふり構わないやり方に対して、市民の怒りが噴出し、『福島を繰り返すな』ということを『住民の自己決定権』として表現していく住民投票運動が沸き上がった。最も危機感を抱いて起ち上がったのはミカン農家であった。ミカンの採集期という超繁忙期のハンディ中に、1ヵ月間不眠不休で必死に署名活動に取り組んで有権者の3分の1に達する1万筆の署名で大きな衝撃を生んだが、市議会で否決された。(中略)ともかく自治的でゆったりした循環型の地域共生社会の創造、そういう方向性の中にしか南予の未来はつかめない。それは安倍=日本会議的なものとの根底的訣別でもある 。」
(八木健彦「南予滞在記」より)
欧米左翼の綱領 ー統一戦線の問題と関連してー
June 17, 2017
報告 新開 純也
アジア的生産様式について
May 27, 2017
報告 表 三郎

グレーバーの提起を受けて
February 24, 2017
報告 榎原 均
マルクスは弁証法の達人でしたが、それは自分の思考を、自分の外部の存在(資本主義)の論理的展開の場として維持するところにあったように思われます。マルクスが思考しているにもかかわらず、そこには資本主義の運動と論理が描き出されている。
資料には、研究会当日に提案した文書のほか、私の読書ノートおよび研究会の反訳を添付した。
グレーバーのこの書は大部のものである。しかし読みやすく、論旨は明快である。さらにマルクス『資本論』をはじめ、マルクスの革命理論にも理解がある。なによりも、リーマンショック以降の負債経済の分析のためには不可欠の労作である。
私は、とりあえず、古代人の負債観による、現代人の負債観や制度の欺瞞性の暴露を取り上げて研究課題を提案し、また、貨幣起源論に的を絞って批評したが、それ以外にも多くの論点がある。問題意識を共有するために読書ノートを公開したい。反訳は『ASSB』誌第24巻第6号に掲載したもの。