2019

研究会の記録  

現代貨幣理論

September 27, 2019

​報告 榎原 均

 L・ランダル・レイ『MTT現代貨幣理論』(東洋経済、2019年)を取りあげる。 レイは、国家と中央銀行とを統合政府とみなして公的部門として括り、そうすることで銀行券を国家が発行権を持つ国家紙幣だと主張する。 この対極にあるのが、「シカゴプラン」の流れをくむ、山口薫『公共貨幣』(東洋経済新報社、2015年)だ。山口は、銀行券は国家には発行能力はなく、債務証書で利子付きであり、不労所得としての利子を資産家が得ることに反発して、現在の銀行券に代わる、国家が発券できる国家紙幣の発行を提案している。 このような議論が出てくる背景は、リーマンショック以降の国家財政の赤字の積み上がりにあり、これをどう評価するか、という問題意識だ。 私自身には、国家の赤字の累積をどのように解決するかという問題意識よりも、資本制的外皮としての信用制度が、社会化の極限に達して別の交易システムへの転換を準備しているという観点だが、この二つの本の内容紹介し批判的コメントを行う。

 

ヘゲモニー闘争への帰還 ラクラウからランシエールへ

June 28, 2019

​報告 斉藤 隆雄

 民主主義における敵対は、社会の差異システムとして構成された政治空間の中に現れた等価性の穴のようなものであり、それらを言説による節合(戦略)によって差異が表すさまざまなアイデンティティを変容させることで、二つの敵対する陣営へと、つまり人民を立ち上げるという政治がヘゲモニー戦略なのである。

革命/変革の主体としての階級

May 24, 2019

​報告 椿 邦彦

 橋本健二の『新・日本の階級社会』(講談社現代新書2018)および『アンダークラス―新たな下層階級の出現』(ちくま新書2018)によって、アンダークラスと定義された新たな下層階級が注目を集めている。本報告では、アンダークラスが日本社会に出現した背景を考察し、今後の社会運動の展開にとってどのような意味をもっているのかを探っていきたい。アンダークラスが注目される理由のひとつに、「彼らこそ現代のプロレタリアートであり、新たな変革の主体である」という期待があると思われる。これについても報告者の意見を明らかするつもりである。

社会運動にとっての変革プログラム 市場社会主義からコミュニズムへの移行

March 02, 2019

​報告 榎原 均

 ルネ研3月研究会報告について、どのように公開するかで迷いました。レジュメは、参考文献にあげた岩田昌征の本のまとめ以外は、ネットで調べてコピペしたものですから公開をためらい、ただ討論が沸騰したので、それだけ公開しようと考えていました。ところが文字起こしを整理しているうちに、旧ソ連・東欧の社会主義体制への安易な批判が、ルネ研メンバーにも浸透していることが分かり、考えを改めました。

 1990年代初頭のソ連・東欧崩壊後、それまでソ連型社会主義を支持していた共産党系の研究者たちのなかから、ソ連は国家資本主義だったという説に乗り換える人々が出てきました。その一人、大谷禎之介が正直に述べているように、もともとトニー・クリフやラーヤ・ドナエフスカヤたちがずっと前から唱えていた説を採用したのです。また、現代革命をアソシエーション革命論として展開しようとしているのですが、それも従来の革命論の総括が不分明なままです。

 ソ連・東欧の社会主義はいわば死者であり、死人に口なしで、なんとでも批判できますが、しかし、国家資本主義論に関して言えば、実際のソ連・東欧の現実を踏まえたものとはとてもみなせません。そういうわけで、少なくともロシア革命初期について、レーニンの語った国家資本主義論や、自主管理の導入とその失敗、そして内乱と干渉戦に始まる戦時共産主義からネップへの移行について、簡単にトレースしたレジュメもそれなりの意義があると考え直して、ネットの出典を明記したうえで公開することにしました。

 また、ソ連の具体的分析については、1980年代に『赤報』に論文「ソ連における階級の形成」を書きましたが、その論点も議論してほしいので、「自然科学的正確さで確認できる経済的生産条件における物質的変革」(マルクス)について述べた部分である、第1章、第2章、第7章、そして、第8章を資料として添付することにします。

2019年5月2日 榎原 均

アソシエーション 私的所有・国家・革命

February 15, 2019

​報告 奥村岳志

 

 アソシエーションとは〈労働する諸個人が互いに主体的能動的意識的に結びついた協同組織〉。アソシエーションは、アソシエイトした諸個人が、自ら生産を管理し、生産手段を所有し、協同労働に従事する社会的生産のシステム。同時に、多種多様な協同組織・地域組織・自治組織などが、重層的に分節しつつ縦横に連合する政治的社会的なシステム。しかもグローバルな交通と依存によって結合したシステムである。資本主義にかわる新しい社会はアソシエーションである。

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ポピュリズム

​後藤 元ほか

れいわ現象~左派ポピュリズムの登場?

​伊藤公雄

​中村勝己

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 ルネサンス研究所・関西

Research Institute for the Renaissance of Communism and Revolution 

〒601-8003 京都市南区東九条西山王町7番地 社会労働センター・きずな気付