2022年11月5日
報告 斎藤隆雄(ルネサンス研究所・関西研究会運営委員)

労働者階級はどこにいる?
1970年代に日本の階級闘争が終焉して以降、日本で労働者階級と呼ばれる集団が社会的にも政治的にも登場したことがない。これは何故なのか。
私の問題意識はここから始まる。確かに、現在に至るまで様々な社会運動がなかった訳ではないし、むしろ多彩な運動が現象していると言えなくもない。しかし、時代を揺るがす大衆運動も労働者階級の街頭闘争もなかったではないか。
他方で、世界に目を向ければ、各国で市民が労働者が街頭に登場し、政権を揺るがし、新たな時代を作ろうとしている。それは未だに十分ではないにしろ、日本の政治状況と見比べれば、その余りにも大きな落差に驚かざるを得ないのではないか。
そこに何があるのか?何がそうさせるのか?
日本の労働者階級の運動を戦前からも含めて振り返りつつ、何故かくも日本の労働者階級は沈黙を強いられているのかを分析する。そして、現在の日本階級闘争の焦眉の課題を浮き上がらせてみたい。
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