負債経済のために

榎原 均(ルネサンス研究所・関西研究会運営委員)


 情況寄稿論文『トランプ登場の背景を論ず』で述べたように、現在のグローバル資本市 場(中心的にはニューヨークの株式市場と公社債市場)においては、借りた貨幣を資本と して機能させる近代的利子生み資本よりも、それ以前から存在していた消費者金融等の高 利資本の債務証書を束ねて証券化した金融商品が、ハイリスク・ハイリターンのジャンク ボンドとして、公社債市場で売買され、その取引高が国債や社債を凌駕するようになって いた。リーマンショックでこれらジャンクボンドが破綻した時に、その救済策が近代的利 子生み資本破綻(株式市場での暴落)の救済策とは異なり、中央銀行による不良債権の買 い入れとマイナス金利政策となっている。 マイナス金利とは、資本‐利子、労働‐労賃、土地‐地代、という資本主義の外観の第 一の要素である資本‐利子の否定であり。ひいては資本主義の否定である。従来資本主義 の総本山としての役割を担ってきた中央銀行が、資本主義の否定をし続けないと、今回の ジャンクボンドの救済策が継続できないという事態は、そもそも負債とは何かという問題 を浮かび上がらせてきた。


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