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社会的連帯経済の可能性 「お金」ではなく「人」を中心とする経済へ

2022年8月27日

​​松田 舞(ミュニシパリズム京都 社会的連帯経済部会調整委員)


 社会的連帯経済は、世界のあちこちで、草の根的住民運動として始まりました。資本主義・新自由主義経済が引き起こしてきた様々な矛盾――富の集中と格差拡大、労働疎外、「弱者」切り捨てや差別など――に対抗し、人間らしく生きるために、地域住民が知恵を絞って自分たちで編み出してきた経済の在り方です。コロナ禍においても、社会的脆弱層の生活インフラを支え、オンラインで課題の可視化や有効な手立ての共有を行うなど、様々な試みがなされました。様々な規模での大会が開かれ、世界規模のネットワークが形成されています。

 また、セネガルやチュニジア、カメルーンなどのアフリカ諸国では、ここ数年、次々と社会的連帯経済についての国家法が制定され、専門の省庁が設置されるなど、国家主導の推進プロジェクトが進んでいます。一方、すでに国家法があるスペインやフランスでは、革新派の市長や議会が地方政治において社会的連帯経済に有利な政策を実施していく、ミュニシパリズムとの連携・相互補完の動きが目立ちます。


【報告者プロフィール】(まつだ・まい)

 1981年鳥取生まれ。京都にあるフランス系研究所で事務職員をしながら、様々な社会運動にかかわる中で、学生や若者が、社会運動を継続しつつ、きちんと生計が建てられるような仕組みづくりが必要だと痛感。そんな折、社会的連帯経済という概念に出会い、可能性を感じて、独学、情報収集を行う。2016年に、社会的連帯経済の世界大会である、Gsef モントリオール大会に参加し、国内外の様々な社会的連帯経済の担い手とのつながりができる。2018年にはGsef ビルバオ大会に参加し、2023年のダカール大会への現地参加も目下計画中。2020年9月に結成したミュニシパリズム京都では、社会的連帯経済部会の調整委員を担当し、会員とともに社会的連帯経済の担い手たちのプラットフォームづくりや、広報活動、学習会などを行っている。


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