「ルネサンス研究所」設立に向けて  
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まえがき――〝人々〟へ


 およそ一年に亘る討論と試行錯誤の結果、私たちは特殊な「研究所」の設立を目指すことになった。心ある人々に私たちの真意を伝え、参集を呼びかけるために、以下に読まれる文書が用意された。
 現代の世界は後の世から、いったいどのような時代と規定されるのだろうか。もとより、歴史上そのような問いに同時代的な答えが得られたことはなかったろう。しかし歴史はまた教えていないか。少なくとも近代にあっては、そのように問うことが、あるいは問い続ける勇気をもった者たちが、歴史を作る事業に真に現実的な足跡を刻んできた、と。なによりそのことに自覚的に、私たちは同時代を問う集団的な場を作ろうと考えた。
 「現代」が問題とされるのは、とりわけその自明性が崩壊しているときだろう。実際、冷戦が終結して以降の今日、誰もが「かつて」なく、時代はもはや「かつて」のようではないと痛感していないか。明日が見えない焦燥を「グローバル化」の一語に体現させながら。時代自身が、時代を問うているのである。私たちの「研究所」はなにより、それを独自に共鳴させる場であろうとする。むろん、人々から発見されることを願いながら。
 共鳴が生れ、場のそとに拡大していくためにはしかし、ただ「問う」と述べても既知の諸課題を羅列しても、〝最初の一撃〟とはなりえないだろう。同時代を真に問うためには、現在のなにを我々が知っていないかを教えてくれる、時代の〝そと〟に身を置き、そこから問いを発する必要がある。誰も時代の拘束を逃れえないものの、時代の〝なか〟にあって、ほかならぬ時代によって〝そと〟にされている場所を発見する必要がある。以下の文書では、その〝そと〟が仮に「共産主義」と名づけられている。知られすぎているがゆえにもはや誰も知ろうとしないこの呼称を再度用いることに、同時代を問う意志が込められている。これを、私たちからの問いかけとして発したい。現在についても未来についても、私たちはなにかを知っているとは主張しないが、その非‐知を現実的な問いに変えるために、時代がそれを追放することで自己規定しているかのような「共産主義」は、一つの有効な作業仮説たりうるかもしれない。よって、まずはこの文書を中心に議論を重ね、問いを社会の〝なか〟に拡大していくそのことを、「研究所」活動の第一歩として提案したい。「現代」の一つの反映としてこの文書を受け取る私たちの同時代人が、これをどう読むのか語りはじめるとき、「ルネサンス研究所」はすでにそこにある。

                        
2010年9月 

設立発起人一同

ポピュリズム

​後藤 元ほか

れいわ現象~左派ポピュリズムの登場?

​伊藤公雄

​中村勝己

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 ルネサンス研究所・関西

Research Institute for the Renaissance of Communism and Revolution 

〒601-8003 京都市南区東九条西山王町7番地 社会労働センター・きずな気付